
5月度の当山岳部例会の行き先は、大峰山系の秘境・七面山。
昨夏、奥駈道まで泊りがけで縦走した時の首謀者F山さんが、
チーフリーダーをつとめる。
日帰りでは限界距離ともいえる中、18人の参加を集めた。
中には4時台に起きたメンバーもいたが、とにかく7:00に下市口に集合。
そこから車4台に分乗して、宇井の夢の湯の交差点から、長い長いグネグネ道を
車止めのある舗装林道終点まで移動。9:30に歩行を開始した。
F山さんは、技術者らしく、分単位で行動予定をシミュレーションしており、
2分、3分の齟齬を気にしている。
アバウトなMr.Dashは、少しでも彼の緻密さを分けてもらわねば。
長い林道を1時間以上歩くことになるが、途中、2段(多分)30mほどの滝などが
あり目を楽しませてくれる。

登山口からは植林の中をいきなりの急登だ。
人数が多いので、2班にパーティを分けて、先頭のF山さんと、最後尾のG嬢が
トランシーバーでやり取りしながら登るという方法をとった。
現実には、メンバーのがんばりで、2つの班は実質、つながったままで移動できた。
今日の山行に期待するのは、シャクナゲ、アケボノツツジ、あわよくばシロヤシオの花。
しかし、4月上旬の寒波の影響か、シャクナゲの蕾さえ、まだ固い状態だった。
それでも南側斜面では、気の早いツツジが僅かに咲いており、大峰の春を感じさせた。
稜線のブナはまだ芽吹いていなかったが、ヤセ尾根のわずかな土壌に、
バイカオウレンの可憐な花が咲いていたのは収穫であった。

さて今日は、初心者の参加も多かった。
先月の例会で体験参加し、正式に入部して初めて登山靴を履いての山行となった
T濱嬢は、慣れない靴で靴擦れを起こし、かわいそう。
やがて踵の皮も厚くっていくのだろうが、しばらくは絆創膏を張ったり、靴下を
重ねたり、靴紐を固く締めたりなどの試行錯誤が続くことだろう。
今回、野外向けの商品開発のヒントがほしいと、半ば仕事がらみの狙いもあって
体験参加したのはM田氏。10年以上前に、仕事でわずかに接したことがあったが、
遊びに行くのは初めてだ。
恰幅のよいM田氏、いきなりの体験山行で、標高差900mの急斜面を経験し、
さすがに翌日から脚の筋肉痛に見舞われたそうだが、また参加したいとのことで、
新たな仲間がまたまた増えそうな予感である。
山の魅力って、底知れぬものがあるのだなと、改めて実感。

七面山の西峰で昼食。アゲボノ平で大休止。槍の尾のアタマまで往復してくる元気者も
いれば、昼寝する人も。

そしてMr.Dashは登山道を離れ、背の低い笹原を分けて
初めて、南側の斜面を少し下ってみた。
ケモノ道がジグザグに刻まれていたのにはびっくり。
下に咲いているツツジを撮影したが、まだ時期尚早。被写体としてはイマイチだった。
キナバル山の土産のチョコレートをみんなに回す。
今日は、「キナバラー」のうち4人が元気に参加。皆、なんとなく疲れが残っていると
感じていたものの、急斜面もなんのその、じつに堅実な足取りだ。
先日はバテバテだった宇宙人I村氏も、余裕をもった歩行。
タフな山行で鍛えられたことが窺えた。

下山は、往路を戻る。西峰で熟年のパーティに会う。
ちょうどメンバーの質問に応え、キナバル、キリマンジャロ、そしてパプアニューギニアの
ウィルヘルム山の経験談をしていたら、熟年パーティのうち快活そうなマダムが、
「私もウィルヘルム山に登ってきたのよ」と会話に入ってきた。
日本の技術指導を持ち帰り、ニジマスの養殖と真空パックで事業を成功させている
ベティさんの宿に泊まったとか、湖のほとりの山小にも泊まったとか、
共通する思い出話に盛り上がる。
マダムは、携帯電話の写真を嬉しそうに見せてくれた。
ウィルヘルム山の山頂表示板の写真であった。
彼らより先行して下山し、長い林道の一本道はまちまちに歩いた。
完璧な引率を果たしたF山氏と、Mr.Dashが先頭に立ち、グングン
歩みを速める。急ぐ目的は一緒。駐車地のすぐ奥、七面川の流れに
足をひたすためである。
10分以上、後続を引き離したので、時間はたっぷりある。
まだ冷たい沢水に、裸足をつけて「ひやー!」痛いほどだが、気持ちいい。
「山頂までもう1往復できそう」なくらい回復した。
帰路、T中さんのケータイに、美人奥さんからメールが届いた。
奥さんは、地元・鈴鹿の御在所岳で、満開のアカヤシオを見てきたそうで、
見事な証拠写真が送られていた。うー、うらやましー!!
夢の湯に寄って、汗を流す。皆、小旅行を満喫できたようだ。
さすがに帰宅時間は遅くなったが、大峰の魅力には代えられない。