■メイン写真
当ルートのクライマックス。上ノ丸滝
■今回のコース
石筆橋→(丸滝谷)→石ブテ東谷出合→下ノ丸滝→上ノ丸滝→中尾ノ背の出合→六道ノ辻→
太尾塞跡→(太尾道)→石筆橋
金剛山のノーマルルートでは最難関とされる丸滝谷ルート。
丸滝谷には数多くの斜瀑がかかり、それを巻き越えて行かなければならない。
徒渉や三点確保の確実な技術が要求される。
大好きなルートだが、訪れるのは3年ぶりとなった。
このルート、中盤以降は、水量は少ないが、ほぼ沢の流れの中をルートを拾いながら
歩くようになるため、むしろ沢靴を履いて、ジャブジャブ気にせずに行くほう
簡単で安全なのだが、今回は登山靴で歩いた。
石筆橋から作業、簡易舗装された林道を行く。
林道終点から、谷沿いに延びる登山道に入る。
黒い実をつけたハナイカダ。
この日は、"ラスボス"の上ノ丸滝を、より安全性を高めるため、こちらでザイルを
フィックスし、そこにプルージック確保で登っていただくことにしている。
そこで、まず林道にいるうちに、基本動作を練習する。
本番ではプルージックを結ぶのはガイドの仕事だが、練習では各自やっていただく。
林道終点から、いよいよ山道に入る。
左下に、美しい流れを観ながら進む。
沢靴の場合は、はじめから流れに入っていけばよい。
そのうち、流れのそばに沿うようになる。少し水量が多めかな。
石ブテ東谷との二股には、6m直瀑がかかる。
先行パーティが滝で遊んでいた。
この滝、沢靴でなら、頭から水を思いっきりかぶりながら直登できる。
7m斜瀑は右から巻く。
だんだん涼しくなってきた。6m斜瀑もたやすく越えられる。
この日のメンバーは、このような変化あふれるルートにも慣れているので、
次々に出てくる徒渉箇所でも、逐一足の置き場まで指示する必要はない。
小さな斜瀑が連続する。このあたりは、歩くだけで楽しくって仕方ない。
標高760m前後の枝沢ある、下ノ丸滝にも寄り道してみる。
この滝も、若いころに登ってみたが、スタンス、ホールドとも細かいうえ、
縦クラックの上部で身体を少し振る感じになる。もう今は無理だろう。
左斜面に、びっしりとウワバミソウ(青ミズ)が覆う。
野菜が高騰したら、ここに採りにこよう(笑)。
そして、"ラスボス"の上ノ丸滝が登場。
沢靴であれば、直登するのが最も簡単だが、登山靴の場合、右岸につけられた
固定ロープを頼りに登る。ただし、最初と最後が非常に滑りやすく、とくに
上のほうで滑ってしまうと、下まで一気に落下してしまう地形だ。
もともと固定ロープも付けらけているが、色あせたトラロープでは心もとない。
こちらでロープをフィックスし、そこにプルージックで確保して、1人ずつ
登っていただく。
上ノ丸滝を上ったところで昼食タイム。
今回はあまり虫も多くなく、風が通って快適なひとときだった。
最後の詰めは、風化花崗岩の滑りやすい急登だ。
頼りないロープが1本、固定されているだけ。これはいずれ、今使っているロープが
ヘタってきたら、それを付け替えようかな。
急登の途中、ホタルブクロに癒される。
とても金剛山とは思えない美しさではあるが、流水がなくなると、暑さを感じる。
大汗をかいて中尾ノ背に到着。一休みして、笹が茂る尾根道さらに上り、六道ノ辻へ。
ここからの登山道は、「大通り」に見えてしまう。
あとはひたすら下るだけ。
途中、一瞬ではあるが、大和葛城山が垣間見える。
かなり涼しい風が吹いていて、暑さを覚悟していたのに快適、快適。
太尾塞跡から太尾道に入る。その序盤はかなりの急坂だ。
登山道は複線化が激しい。
水越峠への道を分け、朝、通った林道に合流する。最後は風が通らず、
ムッとした暑さ。石筆橋に戻るころには滝のような汗だった。
帰りには、道の駅 かなんに寄って、ソフトクリームや冷たいドリンクで身体を
冷やした。金剛山の楽園、今回も期待を裏切らない楽しさを提供してくれた。