
■メイン写真
頑丈な固定ロープが設置されている、3本目の長い急坂
■今回のルート
板馬見渓谷駐車スペース→林道終点(登山口)→不動ノ滝→おごしきコース分岐→行者コース分岐→
県境尾根出合→後山→大甑(おごしき)山「平成之大馬鹿門」→おごしきコース分岐→林道終点→
板馬見渓谷駐車スペース
岡山県の最高峰・後山は、兵庫県との境にあり、兵庫県側は「西の大峰」といわれた
修験の山である。役行者が7年間、修行したと伝わる。
板馬見渓谷から登る「行者コース」は、頑丈な固定ロープを頼りに長い急坂や、微妙な
トラバースを強いられるスリリングなルートで、山伏の修行場と思われる奇岩怪石が
次々に現れる。今回、6年ぶりに訪れた。

松ノ木橋の分岐(公衆トイレあり)から、車幅ほどしかない未舗装林道を4WDで詰める。
最後は崩落懸念のため、中ほどの広場まで入れる。

林道終点の祠で山行の安全を祈り、出発。

100mほどで、二の沢休憩所を通り抜ける。大峯・山上ヶ岳の茶屋みたいな感じだ。

すぐ先に垢離取場がある。山伏が身を清める場所で、沢にの横の大岩を覗き込むと、
不動明王がいらっしゃる。

木道のところで沢を渡る。木橋は何やら揺れるので、1人ずつ渡るほうがいい。

その揺れる木橋の真ん中から、不動ノ滝が見える。左から覆いかぶさる巨岩の陰には
ここにも不動明王像がある。

次に現れるのは「鐘懸の行者」(岩のほうには「金掛の行場」とある)。
かてて、ここに鉄鎖がかかっていて、山伏の修行の場だったという。

「鐘懸の行者」の岩陰には、天保4年と刻まれた役行者像。

ワチガイソウが咲いていた。

石小屋に到着。大峯・大普賢岳の笙ノ窟を連想させる。
ここで籠りの行でも行ったのだろうか。
片足を上げた石仏は「不動明王」との標識があるが、もしかしたら蔵王権現ではないのか。

フデリンドウ。

美しい流れと新緑を楽しみながら登っていく。

おごしきコース分岐。ここは左へ。このあと周回ルートを歩き、ここに下山してくる。
ガレ場を上っていくと、護摩堂跡があるが、平らな場所がなく、建物があったとは思えない。

そうめん滝に到着。丸い岩上を一条の水の軌跡。右のクラックにも水が流れる。

次の標識で、右をとる。行者コースの難所は、この先に連続する。

落ち葉が積もって足元がおぼつかなし山肌を慎重にトラバースすると、1つ目の固定ロープの
急斜面が現れる。用心すればそれほど難しくはないが、長さは50mほどあり、高度感がすごい。

オオカメノキが咲いていた。

芽吹いたばかりのブナの双葉。新緑の季節である。

いよいよ行者(行場)コースのクライマックスゾーンへ。

標識が倒れて裏向いていたので、返しておいた。

廻り岩。岩を抱くように、ぐるっと回ってみた。

胎内くぐり岩。落盤しているようにも見えるので、くぐるのはやめておく。

屏風岩の直下をトラバースする。ここし岩の狭い隙間をにじり登る。

涸れ谷の横から、2つ目の長い固定ロープを登る。

足元に落ち葉が堆積していて気を遣う。

格子岩と呼ばれる岩窟が口を開けている。

石仏が安置されている格子岩の中に入ると、メガネ岩と呼ばれる穴がある。

立て続けに、3つめの長い固定ロープの急坂。大のぞき岩の直下に出る。

熊穴。熊落としという行が行われたという。
クマが棲んでいてもおかしくない雰囲気ではある。

ブナ林とネマガリダケの茂る中、主尾根への最後の登り。
振り返ると、ずいぶん登ってきたことがわかる。

県境尾根に出る。岡山県側の雄大な眺めが目に飛び込んでくる。
笹薮を分けながら後山の山頂をめざす。

日名倉山(美作富士)をアップで迫る。右斜面には、凱旋門のような形の、
ベルピール自然公園のリュバンベールの鐘が見える。

後山の山頂に到着。後山は、板馬見山、板谷山の別名をもつ。
絶景を楽しみながら、じはし休息した。
山頂の祠にはブルーシートがかぶせてあったが、積雪対策なのか。

山頂をあとにして、東へ尾根を下る。はじめは、やはり深いネマガリダケの薮だ。

どんどん下っていくと、大きな石柱が見えてきた。
大甑(おごしき)山の山頂に立つ、「平成之大馬鹿門」だ。
「平成之大馬鹿門」は、もともと京都の仏教大学の門柱として、空充秋(そら みつあき)氏が
制作したが、この作品名に仏大が難色を示し、全国的な論争となった。
空氏は、「生きる価値を見失っている現代人に、馬鹿という言葉を通じ、今一度『人生とは
何か』を問うもの」と主張したが、大学側は設置を拒否。
最終的に千種町に譲渡され、平成9年に、大甑山と、千種川を隔てた空山にヘリで運ばれたもの。

ブナやカエデが美しい。
しかし、落ち葉でトラバース道がなかば埋まり、歩きにくくなっていた。

ギンリョウソウ。

これはどう見てもシイタケなのだが、自信がない。

細い流れだが、登山道を挟んで2段構成の滝をみる。

ニシキゴロモ。

朝、通った分岐に合流し、ふたたび岩屋などを見ながら元の道を下った。
補足。
途中で見かけた珍しい花。


①イチヨウラン

②チャルメルソウ