Mr.Dashのぶろぐ館(新館)

関西の山々や日本アルプスが大好き。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅡ)、山岳ライターでもあるMr.Dashのブログです。Gooブログのサービス停止(2025/11)により、引っ越してきました!

2025年4月16日(水) [京丹波]美女山、須知城跡、琴滝を再訪。ミツバツツジの尾根を周回!

■メイン写真
須知城跡に残る立派な石垣

■今回のコース
道の駅 丹波マーケス→黒尾橋登山口→展望台→市森分岐→美女山→寺谷分岐→
上野・岩ヶ谷分岐→志和賀峠→熊崎峠→大滝池分岐→須知城跡→琴滝→道の駅 丹波マーケス


丹波にある、なかなか麗しい名前の「美女山」(482m)へ。
マイナーな山であるが、山頂からの展望、戦国時代の山城跡、そして映画やドラマのロケに
使われる琴滝があり、道の駅を起点とした約10kmの周回ルートの見どころは、なかなか豊富だ。
しかも、あまり歩かれていないルートのため、それなりのルートファインディング技術が
必要で、短いアップダウンの繰り返しもあり、歩き甲斐もあるのがいい。

黒尾橋登山口から、獣除け柵を開けて山に入る。

はじめの数分は植林だが、じきに雑木林に変わる。
のっけから踏み跡は薄く、地形を見て、テープも参考にしながら、落ち葉で滑りやすい
急坂を登る。

標高約350mあたりで「展望台」の標識があり、西側の眺めが得られる。
足元には出発地の「道の駅 丹波マーケス」も垣間見えた。

急登はまだしばらく続くが、コバノミツバツツジが綺麗に咲いていて慰められる。
真新しいタムシバの花びらがほうぼうに落ちていて、あとでハーブティーにするため
拾い集めながら登る。

支尾根に乗っかると、標識がある。ここで急登は終わり。
女山の山頂まで、緩やかな地形が続く。

広く開けた山頂に到着。

山頂からは、北西方面の京丹波のマイナー峰たちが見える。

女山の山名の由来は、山容が美女が横たわっている姿に見えるという説や、
美女の眉に似ているという説。また、「眉上山」が転訛したという説があるという。
麓の集落の住所は「京丹波町上野美女」で、「びじょう」と読む。

相変わらず踏み跡が薄い、おだやかな尾根道を進む。
麓のソメイヨシノは終盤だが、山の上のヤマザクラは満開。

コバノミツバツツジを見上げながら歩く気持ちよさ!

寺谷分岐、上野・岩ヶ谷分岐には、ともに標識があり、続いて紅白の送電線鉄塔の下をくぐる。
大きな岩を見て、その先で左に曲がり、短い急坂を下ると志和賀峠に着く。
左に池がみえる。

志和賀峠の先で、右に大きく鋭角に折れる。
琴滝への小さな標識は、手前からは裏向きになるので見えにくい。

P405の手前でランチタイム。朝は肌寒かったが、ぽかぽかと、心地いい気温になった。
枝同士が編み物のように入り組んだ、不思議なソヨゴを見つけた。

ピンクのリボンに助けられながら急坂を下ると、寺谷集落からの作業林道が横切る熊崎峠に着く。
熊崎峠から南への尾根道は、完全に消滅していて、間伐作業で伐られた細い丸太が放置された
植林の急斜面を、歩きやすい箇所を見つくろいながら登る。少し登ると、ピンクテープが現れる。

P386の手前で、再び大きく右折する。若いソヨゴのブッシュを漕ぎ、送電線鉄塔の下に出る。

大瀧池へ下る道を見送り、須知(しゅうち)城跡へ続く尾根道をたどる。

小ピークをひとつ越えたところは要注意ポイントで、右の急坂をピンクのリボンをたどって
下るのだが、足元が滑りやすいので厄介だ。

琴滝分岐は直進。この分岐には、あとで戻ってくる。

お待ちかね、後半のランドマーク、須知城跡に到着だ。
主郭の石垣の高さは4~5mほど、幅は15m以上はあろうか。立派なものだ。

須知城は、地元の有力者だった須知氏が室町時代に建てたのがはじまり。
戦国時代、織田信長の命を受けた明智光秀丹波を攻める。
須知氏は、はじめ織田方についたが、のちに離反し、城は明智に攻め落とされた。
この石垣は、明智勢が入ってから城の改修が行われて造られたものらしい。
本能寺の変の後、廃城となった。

二の郭のには、高さ1~1.5mの石積みが残る。

城跡からは、丹波ICが眼下に見える。

先ほどの分岐に戻り、薄暗い植林地を下ると、琴滝(落差43m)に到着する。

垂直な岩壁から落ちる水の軌跡が、13本の琴の弦のように見えることが由来だそうだ。

琴滝は、町の売り込みもあり、映画やドラマのロケに使われる。
調べたところ、上川隆也主演のドラマ「遺留捜査SP」、鈴木亮平主演のWOWOWドラマ
宮沢賢治の食卓」、岡田准一土方歳三役で主演した映画「燃えよ剣」などがあるという。

滝の左側には、岩壁がくり抜かれ、不動明王がおられる。

滝の岩盤の左上方に目をやると、なんとヒカゲツツジが咲いていた。
この日、歩いた道中には岩場がないので、ヒカゲツツジを見たのはここが初めてだ。

琴滝からは舗装された遊歩道となり、公衆トイレの先に駐車場がある。
明智光秀ゆかりの玉雲寺の前を通る。

車道脇にウグイスカグラが咲いていた。