■メイン写真
大谷地(おおやち)湿原の「フサスギナ」。北海道だけに生える。絶滅危惧Ⅱ類。
■今回のコース
ニセコ五色温泉旅館→五色温泉インフォメーションセンター(登山口)→イワオヌプリ分岐→
硫黄鉱山跡分岐→ニトヌプリ(北峰)→パノラマライン登山口→大谷地入口→大沼→
硫黄鉱山跡→硫黄鉱山跡分岐→イワオヌプリ分岐→五色温泉インフォメーションセンター
→ニセコ五色温泉旅館
北海道山行の2日目は、起点をニセコ五色温泉に移し、チセヌプリへ周回登山をしようと
考えていた。
しかし、道中の蒸し暑さと、登山道が意外に歩きにくくスピードを確保できなかったため、
途中でルートをショートカットするにとに。それでも全長12kmの充実したトレッキング
となった。
樹林帯、草原、湿原、鉱山跡と、変化に富む道中。次々に異なる植物が現れ、目が
忙しくて仕方なかった。
花については別途まとめて紹介する。

インフォメーションセンターの前が登山口、橋を渡り、山行スタート!!

3分ほどで小さな祠を見送る。

この長い階段に一瞬、ひるむ。

緑の林床が美しい。さすがは北海道である。

ケルンのような石積みがある、開けた場所に出る。
ガスが出ていなければ絶景が広がっていたに違いない。

イワオヌプリへの分岐。イワオヌプリの語源はアイヌ語で「硫黄の山」。
今回はパスしたが、行きたい山のひとつ。

硫黄鉱山跡分岐の標識。ぐるっと周回して、ここに戻ってくる予定だ。

小イワオヌプリ(1039m)は、頂上部に奇岩が連なる。

滑りやすいザレ場を下る。長い固定ロープが張られている。

やっと下りきったと思ったら、高さ5mほどある崩壊地が出てくる。
固定ロープと、ネマガリダケの稈を頼りに、カニ歩きでしのぐ。

ニトヌプリを見上げる。この山の語源は明らかではないそうだ。
「ニト」に該当するアイヌ語がないらしい。

鞍部からは、おもしろい形の岩がみられる。

ニトヌプリへのダラダラした登りが始まる。高木がなくなるので、暑さを感じる。

ニトヌプリ(北峰)の山頂に到着。
南峰へは深いササの海が続くため、積雪期向けとなる。

パノラマライン登山口へは、どんどん下る。
ちょうど北八ツのように、火山岩がごろごろ現れる道は歩きにくく、
ペースが上がらない。昭文社「山と高原地図」に載っているコースタイムは
かなり辛いと感じた。
翌日に登ったニセコアンヌプリのコースタイムは妥当感があったので、何かの
手違いかもしれない。

ドライブウェイであるパノラマラインに出た。
今回のパーティは決して足が遅いわけではないが、昼前のこの時点で、地図の
コースタイムより1時間以上の遅れ。
いくら花の写真を撮りながらとはいえ、これは明らかにおかしい。

一旦、チセヌプリの登山口まで行ったが、コース変更を決断し、パノラマラインを
歩いて大谷地へショートカットすることにした。
楽しみにしていたチセヌプリ、長沼、神仙沼は、次の機会におあずけだ。

大谷地への入口(駐車スペースがある)で、手早くランチを済ませた。

大谷地は貴重な湿原で、珍しいフサスギナの群生地。
フサスギナは、唯一の生息地である北海道でも、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。
このこともあって、大谷地は1977年に「大谷地植物群落保護林」に設定され、
2018年には「大谷地フサスギナ希少個体群保護林」となった。

大谷地でフサスギナのほか、ヒオウギアヤメなどを観ながら進むが、
この木道だけは、かなり滑りやすくなっていて危ない。やばいなと思った瞬間、
ツルッといって尻を打ち、左肩を軽く突いてしまった。カッコ悪い。

湿原が終わると、根曲りしたカンバ林になる。「頭注意~」を数秒に一度、発信する。

大沼。晴れていたらイワオヌプリの影が湖面に映るというが、ガスガス~!

ほぼ薮こぎのような場所もあった。ダニは見かけなかったが、北海道のマダニは
ライム病原細菌を持っていることがあり要注意だ。

突然、荒涼としたザレ場が広がる台地に出た。イワオヌプリ鉱山跡に到着だ。
当然、硫黄の匂いが漂っている。
イワオヌプリ(岩雄登)硫黄鉱山跡は、江戸時代末期から採掘がはじまった。
のち三井物産が所有し、1937年頃に閉じたようだ。
今のニセコ五色温泉旅館は、もともとこの鉱山の硫黄精錬所から、明治時代に小川拓氏が
温泉の権利を得、何度か人手に渡ったのち精錬所の井上土次郎氏らがが買収。
1929年に井上氏が精錬所跡に小屋を建てて井上温泉を開業したのがルーツという。

鉱山跡に流れる沢を渡る。

ともちゃんが。目ざとくモウセンゴケを発見。

赤土の傾斜地をトラバース。まったく、変化が激しい。

そのあとは砂礫地に戻る。

朝、見上げてうんざりした例の階段に戻ってきた。

16:15、五色温泉インフォメーションセンターに帰着。
ショートカットしても、この時間になった。結果的に好判断。危なかった。
この日、見かけたものの名前が分からなかった花を、センターで調べさせて
もらってから、ニセコ五色温泉旅館に戻った。
さあ、明日は最終日、ニセコアンヌプリへの山行だ(続く)。