
■メイン写真
甘南備山の三角点峰に新設された、隈研吾氏の設計による「らせんのビューテラス」
■今回のルート
京田辺駅⇒一休寺道バス停→一休寺→薪神社→甘南備山駐車場→神南備神社→甘南備山→
「らせんのビューテラス」→ヒノキの小径分岐→ウッドデザインパーク京都-彩-→
雑創の森分岐→虚空蔵堂→虚空蔵ノ滝→花住坂バス停⇒松井山手駅
京田辺市の北西部、大阪府枚方市に接するあたりに、標高221mの低山・甘南備山がある。
その昔、平安京を造営するにあたり、この山と京都の船岡山を結ぶ南北線上に、朱雀大路を
建設したというエピソードがある。
麓には、一休禅師が晩年を過ごした酬恩庵一休寺や、薪能発祥の地の薪神社があり、
下山口のほうにはかつて滝行が行われた虚空蔵ノ滝があるなど、見どころが豊富だ。
京田辺駅から歩いてもいい距離だが、京阪バスに乗ること3分、一休寺道バス停から
歩行スタート。

500mで一休寺に着く。総門をくぐると、青もみじと苔が美しい石畳の道が延びている。

参拝料を支払って、住職の接客や仏事を行う「方丈」を見学した。
方丈の建屋は、慶安3年(1650年)、加賀三代目藩主の前田利常公が寄進したもの。
室内には、一休禅師が晩年、大徳寺の住持を務めた際に移動に用いた輿や、
自身の頭髪と髭を植えさせたという一休禅師の木像が安置されている。
また、狩野探幽が描いた襖絵(レプリカ)もある。この本物は宝物庫に保管されている。

すぐに薪神社に着く。能楽発祥の地であり、ちょうどいらっしゃった
宮司さんに、神南備神社を含めたいろいろな話をお聞きすることができた。

公園を抜けて、手原川沿いの道に出ると、京奈和道のガードをくぐる。
狭い農道を進むと、左手に甘南備山駐車場がある。
平日なのに、意外にもほぼ満車状態。
駐車場に入って、いちばん奥から山道に入る。

すぐ林道に出て、公衆トイレを経てしばらく進む。次の分岐で、左の未舗装林道に
入る。

にしきぎの小径に入ると、野鳥のにぎやかなさえずり。
特定外来種のソウシチョウがいっぱいいた。

展望デッキに到着。

展望デッキからは、愛宕山、京都市街、比叡山を、真南から見ている。
目を凝らすと、京都タワーも見える。

たいした坂もなく数分で、神南備神社横の展望台に着く。

ここからは東側が開け、鷲峰山が見える。

山頂直下にある神南備神社。「かんなび」とは、神の御座所を指す。
延喜式では小社に列せられている。

社殿の真裏の高台が、甘南備山の山頂だ。残念ながら、ちょっとのことで、ここは
展望がない。

山頂の西側を巻き、ひとつ北の三角点峰をめざす。
ササユリが咲いていた。倒れないように、しっかり保護されていた。

大津越の分岐を過ぎると、すぐに三角点峰に着く。
ここに今年4月、建築家の隈研吾氏の設計による、新しい展望デッキができた。
その名も「らせんのビューテラス」。

先ほどよりもワイドな眺めが楽しめる。

ヒノキの小径の分岐を左へ。右へ行くと、登山口の駐車場に簡単に戻れる。
ここからしばらく、京都府・大阪府の境の尾根をたどるのだが、関電鉄塔の
巡視路やその他の小道の分岐が多く、標識もなくなるので、ちょっとしたルート
ファインディングが楽しめる。基本はとにかく稜線をたどることだ。

紅白鉄塔の分岐などを過ごし、空手教室の道場のところは建物の脇を
抜けて京都側から回り込む。

ゴルフ場との境を示す、有刺鉄線の柵にそった山道に入り、送電線鉄塔の下を
くぐる。左に枚方CC、右に田辺CCを垣間見ながら進み、尾根の分岐を
左にとる。またも送電線鉄塔をみると、登山道が突然終わる。

この5月にオープンしたばかりの「ウッドデザインパーク京都-彩-」の駐車場に出たのだ。
少し先に、-彩-の建屋があり、公衆トイレと飲み物の自販機が使える。
ここは、京田辺市野外活動センター「竜王こどもの王国」(昨年3月閉鎖)があった場所。
その跡地に、アウトドアのテーマパークとして生まれ変わった施設だ。

車道を北に少し下る。「雑創の森 そよかぜ幼稚園」の分岐を左に折れる。

苔むした、素朴な石仏のようなオブジェが幾つも並ぶ山道は、薄暗い谷間へと続く。

導かれたところには、垂直にそびえる巨岩の下に虚空蔵堂がひっそりと建っている。
承久3年(1221年)、大住の領主、大住家友が建立(「大住」は、古くは九州の大隅半島から
移ってきた人々が住みついた地とされる)。
かつては法輪山葛井寺といい、 足利義満の時代に兵火で寺は焼失。お堂だけが残った。

谷筋に下り、少し沢中を遡上すると、虚空蔵ノ滝がある。
一ノ滝は落差6mほどの直瀑で、見るからに滝行によさそう。

枝沢にある二ノ滝は落差3m弱。いずれも前日までの台風の雨で、水量が多かった。

溜池に沿った細道をたどり、川沿いに下草が濃い道を進むと、住宅街に出る。
花住坂バス停はわずかな距離だ。バスを待つ間に歩けば、松井山手駅もすぐ。
見どころが多い、楽しい山行だったが、気づけば蚊に4ヶ所も刺されていた。