■メイン写真
胎内くぐりコースのハイライト、溶結凝灰岩の空洞に石仏が並ぶ。
■今回のコース
下赤岩山登山口→赤岩白龍本院の鳥居→(胎内めぐりコース)→下赤岩山→赤岩白龍神社→
峠(トイレ、駐車地)→展望デッキ→(往路を戻る:胎内めぐりコースは通らず遊歩道で)→
下赤岩山登山口
昨年に続き、本州の梅雨シーズンを避けて、北海道に下見を兼ねた"逃避"山行を
楽しんできた。
今年は舞鶴港から新日本海フェリーを利用してクルマを持っていく。
22時間かけてまず小樽へ。ネットもつながらない中、読書などで意外に時間をつぶせた。
26日。台風2号くずれの雲と前線が巧妙に悪さをして、当初予定していた札幌岳は
午後から雨との予報。小樽は15時くらいまでは天気がもちそうということだったので、
予め調べておいた小樽海岸のオタモイ遊歩道の東半分、下赤岩山と胎内くぐりの
ルートを歩くことにした。
ヒグマ対策になるかどうか、ボタン一つ押せば猟銃の発射音、猟犬の吠え声などが
大音量で鳴るハンディ機器を持参。今回は、結果的にヒグマに会えなかったので、
使用機会はなかった。
おたる水族館から、さらに奥へクルマを進め、ホテルノイシュロス小樽を
過ぎたあたりの路肩に駐車。大きな案内看板が立つ登山口から入山する。
ヘラオオバコ。ヨーロッパ原産の帰化植物。日本には江戸時代末期に渡来したという。
ニワトコ。
このほかヤマグワも実をつけていた。
林床の下草が充実している。
関西のようにシカが林床の緑を全部食ってしまったのとは異なり、自然の良好な
バランスを感じる。
トリアシショウマか、ヤマブキショウマか?
登山口から20分ほどで分岐があり、尾根道を外れて赤岩白龍本院の鳥居をくぐり、
まずはトラバース道を下っていく。
じきに岩場が始まり、登りに転じる。
このあたりは、ロッククライミングのゲレンデが多数ある。
溶結凝灰岩のピナクルが、異様な光景を作り出していた。
シロバナニガナ。このあたりは黄色の通常種よりも、白花のほうが多かった。
固定ロープは、古くなったザイルが使われている。
断崖の下はすぐに海。眺めは抜群であるが、足場には注意が必要だ。
クライミング用のアクセス道には、通常の登山者が立ち入らないよう、ちゃんと
標識が付けられている。こういうところは、関西の山々も参考にしてみてはどうか。
胎内くぐりコースの目玉、尖峰に空洞ができており、多数の石仏が鎮座する。
空洞の中に入ると、向こうには美しい澄んだブルーの海岸が広がる。
登山道に戻ると、今度は長いハシゴ場となる。
ハシゴを8割がた登り終えたところで、右に分岐があり、岩場をこなすと、
またまた岩屋の祠が出てくる。
続いて、また空洞が見えるので、行ってみる。
ここからの海岸の絶景も迫力いっぱいだ。
こうした行場が次々に現れる。
残りのハシゴ場を上る。
岩がかぶさるトンネルに入る。
トンネルの奥は、またまたハシゴ。フィールドアスレチックのようで楽しくて
仕方ない。
次の展望岩からは、ひとつ西側の岩壁に開いた空洞が見下ろせる。
メインのルートから外れ、短いハシゴを上ると、不安定な岩棚に石仏がある。
固定ザイルが張られた狭い岩場のトラバースをこなすと、ガンボの上には不動明王が!!
固定ザイルにカラビナをかけてもらったうえで、持参したロープでビレイし、
不動明王のところまで登ったTさんの勇姿。
高度感は抜群だ。
このすぐ上で、胎内くぐりコースは終わり、尾根を走る遊歩道に合流する。
遊歩道上にも、絶景のテラスがあり、ここにもお不動さんがいらっしゃる。
ノカンゾウが咲いていた。
下赤岩山のピークは展望なし。この下にも、クライミングゲレンデがあるようだ。
クライマーがコールする声が聞こえる中、遊歩道を西進する。
日なたは暑さを感じるものの、カラッとしているのが関西との違い。
海にはレジャーボートがあちこちで走っていた。
赤岩白龍神社に到着。
ここの不動明王は、吉野の蔵王権現のように真っ青だ。
別の方角から、クルマがここまで入れる。
古い公衆トイレもあるが、じつに汚く、カマドウマ(便所コオロギ)がわんさか
天井に張り付いているという気持ち悪い空間だった。それでも用を足したが(笑)。
赤岩山へと続く遊歩道を登る。樹林が美しい。
電波塔が立ち並ぶ赤岩山の少し手前には、ウッドデッキの展望台がある。
今回は、ここで引き返し、赤岩山までは行かなかった。
展望台からは、海岸線のまた違った眺め。
遊歩道を戻り、下山後に小樽港近くのショッピングモール「ウイングベイ小樽」へ。
スーパーのイオンが入るほか、北海道の土産物ゾーン、レストラン街などがある。
身体をクールダウンしたかった我々は、北海道最古のアイスクリーム屋さん「美園」で
めいめい好きなアイスデザートを楽しんだ。
コーヒーフロートで生き返った!!