■メイン写真
ゴールの犬落の滝。さすがに水量が多くなっている。
■今回のルート
百間山渓谷駐車場→梅太郎渕→かやの滝→こさめ渕→亀の峡→ふたおい釜→藤の中島→
甚兵衛渕→難渋の壺→猿渡り(吊橋)→雨乞の滝→三十三尋の壺→吊橋→夫婦滝→
犬落の滝→百間山渓谷→(下山路)→百間山渓谷駐車場
和歌山県田辺市の山奥にある百間山渓谷。
夏場でも涼しく、南紀の沢としては珍しくヒルが出ないほど。
苔むす巨岩、連続する滝場、発達した釜、すべてがすばらしく、
毎年のように訪れている。今回は沢中の遡行ではなく、ハイキングだ。
前日時点の天気予報では、雨は深夜に止んで、終日曇りとのこと。
しかし当日朝、予報は悪化。現地に行って、様子をみつつ歩くことにした。

まだ雨は降っていない。
百間山渓谷入口の駐車場から登山口へ。

旧かもしか園の跡地横を通り、梅太郎渕へ。

左上の岩の上にあるウバメガシは樹齢500年といい、きこりの梅太郎が
落とした枝が根付いたという。

岩間のトンネルの中を、鉄階段で登る。
ステキな探検の始まり、始まり。

かやの滝。
樹齢300年のカヤの大木が滝の上部にかぶさっていたという。
沢歩き装備の場合は、濡れながら滝の裏に入れるが、この日の水量はけっこう多い。

両側が切り立った、急峻な地形の渓谷。要所に鉄製の橋や階段が設置されて
おり、助かる。

一枚岩を一条の水流が滑り落ちる、亀の峡。

コケをつたう水滴も美しい。

このコース、吊橋が3つある。その最初の赤い吊り橋は、一度に2名までの重量制限。

こさめ渕を過ぎたあたりで、「小雨」が降ってきたので雨具を羽織る。

3cmはあるような行者ミミズを発見。
行者ミミズという名は奈良あたりのローカルな呼称で、一般的にはシーボルトミミズ
という。四国などではカンタロウと呼ぶ。
ウナギを釣るときの餌として珍重されている。

斜瀑の下の深い釜を、巨大な岩がフタしている「ふたおい釜」。

藤の中島は、フジの古木が生えている中を歩く。沢が二手に分かれて流れ、
ちょうど中の島になっている。
昔はフジの蔓が両岸をまたいでいたという。

落ち着いた雰囲気の甚兵衛渕。

いよいよ難関の「難渋の壺」にさしかかる。
難渋の壺には、ポットホール(甌穴)が幾つかみられる。

アカハライモリを見つけたが、案の定、ともちゃんに捕まって弄ばれてしまった。

このあたりはもう、遊歩道ではなく、岩場をへつっていく立派な登山レベルだ。

岩のトンネルをくぐる。
ここはトンネルの外側、ギリギリに沢が流れている側に、トラバース用の鎖も
ついている、「難渋の壺」最大の難所。
以前、実際にそこで沢中にドボンしたおっちゃんを見かけたこともある。
トンネルを選択すれば、安心、安心。

「猿渡り」と名付けられている、二つ目の吊り橋を渡る。
ここは一度に3名まで渡れる。

雨乞いの滝の手前にあるあずま屋でランチタイム。
この日は日照がないので暗くて仕方ない。ヘッ電を出して、コンビニ袋の中に
入れて間接照明を作り、食事する。

中盤最大の見どころ、雨乞いの滝。
落差は10mほどだが、やはり絶賛増水中で、大迫力だ。
かつて日照りが続くと、ここで神楽をあげて雨乞いしたという。
沢歩きの場合は、腰まで水に浸かりながら釜をへつって、滝の裏側を観に行ける。

雨が止んだので、暑い雨具を脱いで歩き始める。
3つ目の吊り橋を渡る。ここも3名まで渡れる。

吊り橋からは、夫婦滝が目の前に。

この沢最大のトチノキの巨樹。

遊歩道を歩くが、一か所、増水で渡渉しにくくなっていた。
足を置く場所さえ間違わなければ大丈夫。

ゴールの犬落の滝に到着。直瀑だが、チョックストーンがアクセントになっている。
落差は30m。猪を追っていた猟犬が、猪もろとも転がり落ちたと伝わる。
陽が差さないので、釜の雰囲気は、美しいというより、どことなく不気味。
沢の表情は、天気で大いに変貌する。

帰りは、雨乞の滝までは往路を戻り、あとは上部を巻いている下山用の道を使う。
植林の中の単調な道だが、危険なところは一切ない。
また小雨が降り始めたが、そのまま駐車場まで一気に歩いた。
帰りは、「道の駅 くちくまの」でおやつ休憩。
紀勢自動車道のパーキングエリアを兼ねていて、一般道からも、裏側から
回っていける。アイスクリーム派と、ホットコーヒー派にみごとに割れて
おもしろかった。