Mr.Dashのぶろぐ館(新館)

関西の山々や日本アルプスが大好き。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅡ)、山岳ライターでもあるMr.Dashのブログです。Gooブログのサービス停止(2025/11)により、引っ越してきました!

2026年3月7日(土) [丹波]石龕寺から金屋鉱山跡、石戸山へ!!

■メイン写真
ろう石を産出していた金屋鉱山の現在の様子

■今回のコース
石龕寺→奥之院→頭光嶽→金屋鉱山跡→岩屋城跡堀切跡→石戸山→岩屋城跡堀切跡→
分岐→重ね岩→分岐→石龕寺⇒道の駅 北はりまエコミュージアム


丹波市山南町に、聖徳太子ゆかりの古刹があり、中世には山城と化し、大正時代から
昭和50年までは「ろう石」の鉱山があったという、魅惑の山がある。
ずっと行ってみたかったこの個性的な歴史を持つ山を歩いてきた。

石龕寺(せきがんじ)の山門手前にクルマを停め、まずは重要文化財の仁王像が
格納されている仁王門へ。
ボタンを押すと、解説の音声が流れる。
織田信長の丹波攻めで、寺が焼き討ちされる中、この仁王門だけが焼け残った。

参道はコケが美しい。ふと見ると、タマゴケがもう胞子体の丸い蒴(さく)を
出していた。春やなぁ。

タマゴケの横にはセリバオウレン。

寺務所の前には、これはたぶん植えたもののようだが、フクジュソウが!

石龕寺は、足利尊氏が弟の直義と争った観応の擾乱で逃げ延び寺。
嫡子の義詮(室町2代将軍)を2,000騎とともに50日余り、ここに留めたという。



本堂前には、コウヨウザン(広葉杉)の大木がそびえる。中国原産のヒノキ科の樹。
中国中南部の植林としては、最もポピュラーだそうだ。

コウヨウザンの葉が石段にたくさん落ちていた。

大柄で、あまりなじみがない形だ。

本堂の右横から、奥之院へ向かう参道をとる。

参道ではあるが、じきに急坂の、普通の"登山道"のようになる。
序盤には古い石垣があり、石龕寺の僧房の跡なのかもしれないし、石龕寺を含めた、
南北朝時代の岩屋城(石龕寺城)の一部なのかもしれないし、織田信長の丹波攻めに
関係するものかもしれない。

アセビが満開。

標高280mあたりで、一瞬、南側の展望がちょろっと開ける。

もはや参道とは思えない険しい道のり。

奥之院の鐘楼に到着。一定のルールが記されているが、自由に撞くことができる。

鐘楼からは、すばらしい展望が広がる。

奥之院は、断崖絶壁の岩屋に組み込まれている。

その奥は、足利義詮が一時的に滞在した屋敷があったとされる平地がある。

急登を経てたどりつく頭光嶽の山頂は、送電線鉄塔が通る。
頭光(ずこう)とは、仏像などの頭の後ろにある光背のこと。

ようやくなだらかになった稜線に乗り、枝ぶりが奇妙なカシの樹をみる。

再び少し登ると、索道の跡らしき"廃墟"が現れる。
金屋鉱山跡のエリアに入ったのだ。錆びたワイヤーとプレハブの廃屋が印象的だ。

谷底に下ると、そこには露天掘りでV字型に削られた地形と、古いブルドーザが
視界に飛び込んでくる。

荒涼たる世界、むき出しの岩盤は数十メートルはあるように見える。
実際に地形図を見ると、70mほどの高さがあるようだ。

もともとは岩屋城跡があったようだが、すべて「ろう石」鉱山として削られた
ようだ。
かつて子供たちが道路に絵を描くときに使った「ろう石」、石英や長石できた火山岩が
酸性の熱水で変性した岩とされ、レンガ、タイル、陶磁器などの原料として
使われた。

金屋鉱山跡は、海外産のろう石に押された昭和50年に閉山した。

残されたトラックやブルドーザが、当時の様子を物語っている。

急坂を巻き上がる。ツバキの落ち葉で足を取られる。
固定ロープがありがたい。

登りきると、そこには岩屋城の堀切跡があった。

尾根を少し北へ。北風が容赦なく吹きつけ、なんと、みぞれと雪が降ってきた。
しばらくは周りが真っ白になる中、石戸山に到着。
あわよくばこの先の高見城山まで行きたかったが、あまりに寒いのと、少し時間も
押しており、ここで引き返すことにした。

岩屋城の堀切跡に戻り、尾根を南へたどると、岩屋山の山頂に着く。
鉱山に切り取られ、どうやら昔の山頂ではないようだが、小さな石の祠が安置
されている。残念ながら展望はなく、すぐ横は削られた断崖絶壁だ。

進路を西に転じると、ほどなく三叉路となり、まずは右の尾根道を下る。
300mほどで、奇岩の「重ね岩」に着く。
岩の上から展望を楽しむ。

岩羽の下側に回り込むと、果たして、微妙なバランスを保ち重なる岩の様子が
よくわかった。これを最初に見ていたら、岩の上に上がるのが怖くなっただろう。

先ほどの三叉路に戻り、石龕寺への下山路に入る。
予想外の急坂で、ときに鎖場が現れる。

関電巡視路用の、黒い樹脂製の階段を下り、鉄塔下へ。
急坂はさらに続き、石龕寺へ下った。短い距離ながら、変化に富む行程だった。

帰りに道の駅 北はりまエコミュージアムへ。
1200円もするご当地ハンバーガーには手が出なかったが、栗ようかんと
熱いコーヒーで小腹を満たし、大満足。