
■メイン写真
香貫山展望台から見た富士山。手前にあるのは愛鷹山
■今回のコース
原木駅→茶臼山登山口→茶臼山→日守山(大嵐山)→大平山→鷲頭山→小鷲頭山→志下山→
徳倉山→横山→香貫山→黒瀬登山口→沼津駅
かねてから歩いてみたかった奥沼津アルプスと、沼津アルプス。
富士山の眺めと、オーシャンビューがすばらしいご当地アルプスである。
沼津アルプスは、1980年に地元で命名され、その後「山と溪谷」の「人に教えたく
ない山特集」に掲載されて人気に火がついたという。
富士山が美しく見える冬場を選んで、歩いてきた。
最高点の鷲頭山でも標高は392mに過ぎないが、名前が付いているピークだけで9座。
そもそも長距離であるのに加え、それぞれのアップダウンの傾斜がきつく、連続する
固定ロープや、ハシゴ、クサリが設置された箇所が多い。
体力がじわじわ奪われるハードコースだ。

三島駅前のホテルに前泊し、6時台の伊豆箱根鉄道で、無人駅の原木駅へ。

狩野川を渡る石堂橋の向こうに、富士山が見えた。今日は晴れそうだ!!

ここが登山口だ。

ササのトンネルを抜けて、最初のピーク、茶臼山へ。
ちょうど朝日が昇ってきた。

次の日守山(大嵐山:おおぞれやま)は、桜の木が植えられた日守山公園の頂上だ。
展望デッキから、富士山が望める。

公園エリアの一角から、大平山へ続く尾根道に入る。柵の隙間の狭いこと!!

急坂を下り、鞍部にさしかかる。尾根右側の岩壁が垂直に、人工的に切られている。
ここは伊豆石とよばれる凝灰岩の採石場跡だそうだ。

「さざれ石」のプレートがかかる岩。凝灰角礫岩である。
この先、これより大きな礫岩は次々に出てくるが、なぜこの岩に名前がついて
いるのか、現時点では分からない。
ちなみに、沼津アルプスは、「伊豆半島が本州に衝突する以前(約1000万年~
200万年前)に、浅い海底で噴火した海底火山の噴出物と、それから削られた
土砂などが堆積した地層が、本州との衝突によって隆起し、その後に浸食が進み」
誕生したという。

1つ目のハシゴを下る。その先はトラロープに従い、岩尾根を進む。

ユニークな形の岩が現れておもしろい。こうした変化も、当コースの楽しいところ。

久しぶりに、遮るものがない富士山の姿を拝む。

2つ目のハシゴを下る。こちらのほうが短い。

大平山に到着。

沼津アルプス起点の香貫山登山口の大看板には「Mt.Ohira」と書かれているが、
山頂の山名板には「おおべらやま」とある。呼び名というのは難しい。

多比口峠を過ぎると、差進行方向左側が開け、江浦湾と淡島が見えた。
この日は風がほとんど吹かず、海面は鏡のように静かだ。

続く多比峠の手前には、岩を削って造られた石段があり面白い。ほんの数メートルだが。
沼津アルプスは、道中、関西の低山のように石仏がバンバン出てきたりすることは
ないので、たまにこうした人の手が入ったものが出てくると印象が強くなる。

相変わらず、険しいアップダウン。
土壌は粒子が細かい火山灰質なので滑りやすいうえ、落ち葉が拍車をかける。
落ち葉も、葉の表面がツヤツヤしているウバメガシが多いので、これまた滑る。

ちょっとした急坂をエイヤッと登り、鷲頭山に到着する。
広場のようになっている山頂は、古くから鷲頭神社が鎮座する。
室町時代に、干ばつと狩野川の氾濫に脅かされていた地元の住民たちが、伊予国から
水の神である高おかみ(おかみ:雨冠に龍)神を勧請した由緒ある神社だ。

といっても、拝殿などはなく、この石祠があるのみ。
山頂にはミカンの大木が1本立っていて、そこから落ちた果実が祀られていた。

しばらく進む。平清盛の五男・三位中将重衡が切腹した地。
しかし、重衡は史実上は、一ノ谷の戦いで捕虜になって鎌倉へ護送され、平家が滅亡した
後、奈良と京都の境あたりの木津川のほとりで斬首され、奈良坂の般若寺門前でさらし首に
差されたという。

小鷲頭山。ここは純粋なピークというよりは、少し離れてみると鷲頭山との双耳峰の
ような存在。

コース一番の、急な下り坂。地形図の等高線でみると、最も間隔が詰まっているところ。
ここは特に慎重に下った。

中将岩に到着。礫岩の垂壁の下が岩屋になっていて、石仏が安置されている。
ここは、平重衡が囚われたのち、幽閉されたという場所だ。
別説では、鎌倉に囚われた重衡が身の危険を感じて出奔し、ここに隠れ住んだとも。

志下峠(ぼたもち岩)。これも凝灰角礫岩。

無名の小ピークをひとつ越え、きらら展望台へ。
樹林帯が途切れて、志下の港が眼下に見える。
展望台の名前のとおり、駿河湾がきらめていてる。

馬込峠、奥駿河パノラマ台、目立たない志下山のピークを経て、ふたたび急坂。
その途中、開けた場所がある。千金岩見晴台だ。

千金岩見晴台から見た駿河湾。

機関銃の銃座跡に到着。深い穴が掘られている。
太平洋戦争末期、空を行く米軍機を迎撃するために設置されたというが、
ここから「機関銃」の銃弾を空に撃って、米軍機に当たるのか?

徳倉山に到着。
樹木の合い間から、ちょうど富士山が覗く。
ここも広い山頂。休憩によい。

笹薮になると、登山道の少し先にソウシチョウが何羽もいた。
数メートルの距離になっても逃げない。
ソウシチョウは、綺麗な鳥だが、特定外来生物で「日本の侵略的外来種ワースト100」に
入ってしまっている。

固定ロープの代わりに鎖が張られた坂を下り、横山峠から登りに転じる。
登りついた横山のピークは、かなり地味だった。

横山からの下り坂がなかなか強烈で、約160mを一気に下る。
ここまで既にかなりの距離を歩いてきており、皆さん、足並みに疲れがみえる。
八重坂峠は、バスも通る車道である。
バス停がすぐそこに見える。もうここでバスに乗ってしまいたい欲求をグッと
こらえて、最後のピーク、香貫山へと向かう。

閉業した打ちっぱなしゴルフ練習場の横、林道を歩き、途中で山道に入る。
桜が植えられた公園内を通り、香貫山へ。
山頂は電波塔の金網の横で、眺めもない。

ということで、山頂から西に約200mほどのところにある展望台に移動。
こちらはテレビ塔そのものが展望台になっていて、全方位の絶景を楽しめる。

展望台の下にあるモニュメントと富士山。

モニュメントの中には、ミニ富士山が造られている。

駿河湾は夕方になって、やや波が出てきた。
手前は沼津市内、バックは南アルプスだ。

南側には、この日、歩いてきた山々が見える。ずいぶん歩いてきたものだ。

狩野川の河口。まだ夕陽というには早い、夕方の太陽。

最後に絶景を見ることができて、がんばって完歩した感激がバクハツ。

黒瀬へ下山。バスが来るまで十分な時間があり、ただ待つだけも寒いなあと
いうことで、余力をかって沼津駅まで歩いた。
後半に歩行ペースがガクッと落ちると予想していたが、その想定タイムより1時間
以上も早く、沼津駅に到着。帰りの新幹線も、それぞれ早い便がとれた。
めいめい、駅弁を買って早い夕食を摂ったり、喫茶店でケーキを楽しんだり、
お土産を買ったり、まだまだ元気いっぱい。おつかれさまでした!!