Mr.Dashのぶろぐ館(新館)

関西の山々や日本アルプスが大好き。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅡ)、山岳ライターでもあるMr.Dashのブログです。Gooブログのサービス停止(2025/11)により、引っ越してきました!

2025年12月30日(火) [国東半島]六郷満山・峯道トレイル、鷲巣岳の岩場に挑む!!

■メイン写真
峯道トレイルのハイライト、大不動岩屋

■今回のコース
12/29(月) 
 大阪南港⇒(さんふらわあ:船中泊)⇒
12/30(火)
 別府港⇒千燈寺駐車場→千燈石仏→尻付岩屋→大不動岩屋→鷲巣岳→千燈石仏→
 駐車場⇒湯の里 渓泉[泊]
12/31(水) 
 湯の里 渓泉⇒中山仙境駐車場(中山仙境登山口)→前田登山口→堂明高岩→
 後堂明→一望岩→後野越→六所神社→中山仙境下山口→隠洞穴→高城→無明橋→
 登山道合流点→駐車場⇒国見温泉あかねの郷[泊]]
1/1(木) 
 国見温泉あかねの郷⇒文殊仙寺駐車場→文殊仙寺→ゴロタ平展望所→
 (葛原廃トンネルコース)→文殊山園地→文殊仙寺→駐車場⇒別府港⇒(さんふらわあ:船中泊)
1/2(金)
 大阪南港


2025年から2026年の年末年始は、岳友たちと久しぶりのプライベート山行だ。
大分県は国東半島にある、六郷満山の峯道トレイルのうち、今回はスリリングな岩場や
珍しい古道のトンネルコースをセレクトしてみた。

さんあらわあで別府港へ。

六郷満山は、神仏習合の発祥の地とも言われ、明治時代の神仏分離令の影響も
さほど受けなかったとされるエリアだ。
峯道トレイルは、かつて宇佐神宮の僧たちが修行した六郷満山峰入行をベースに
地元が整備したロングトレイルで、13年ほど前に"開通"した。

初日は、峯道トレイルのハイライトともいえる奇景の大不動岩屋を経て、
峯道トレイルを外れ、難路とされる南側から鷲巣岳(わしのすだけ)に登ってみた。
鷲巣岳は、地形図を見ると東西ともに「毛虫記号」で、どこから登れるのだろうかと
思ってしまうが、弱点はありそうで楽しみだ。ロープ、ヘルメット、ハーネスも
準備して臨む。

千燈寺の道を隔てた向かい、公衆トイレがある駐車場をスタート。
まずは車道を南下し、尻付岩屋で林道に入る。
岩屋の中には、かなり摩滅した木造仏が数体、安置されている。

林道を奥へ進んでいくと、獣の骨が数片、落ちていた。

林道分岐から、さらに奥へ。やがて山道になる。

見上げると、すぐ横には礫岩でできたピナクルがある。
このあたりの山域には、こうした尖峰が散在しており、独特の景観を生んでいる。

右の岩壁に、大きな穴が開いている。大不動岩屋だ。
旧千燈寺附属の霊場だったという。

岩場をトラバースして、岩屋の下に入る。
岩屋の中には、小さい石碑(不動明王?)に、碑伝(ひで)が3枚、納められていた。
岩屋の天井をよく見ると、柱を立てるために空けたとみられる穴が幾つも認められた。
かつては岩屋の内部に建屋があったと思われる。

岩屋からは、日本とは思えない不思議な風景が広がっていた。
屹立する無数のピナクルに息をのむ。
ああ、ここに来てよかった。

もとの山道に戻り、次の二股でショートカットしようと右の踏み跡を選んだが、
谷筋に入ると倒木でかなり歩きにくくなっていた。
ここは素直に左の道を行き、阿弥陀越へと直接詰め上がる方がたぶんよかった。

阿弥陀越から続く尾根に出てほどなく、鷲巣岳への急登が始まる。
地形図では南側をぐるっと毛虫記号が描かれているが、その通りで、
眼前には、砂岩(おそらく)の岩壁。その弱点を探す。

固定ロープを見つけると、あとはそれをたどるとルーファイは不要。

しかし、なかなかの急登。転落注意。加えて、春以降はヤブが邪魔になりそう。
サルトリイバラなどのトゲ植物もあるため、ロープも出せなかった。

登りきると、南北に細長い山頂部に出る。
まずは「風天社」と刻まれた小祠が迎えてくれた。
後で知ったが、我々が登った「風天社」の南側岩場ルートは、「女性が行けば西方寺に
大風が吹く」とされ、女人禁制だったという。

次に、蔵王権現役行者不動明王像が並ぶ石室。

その少し奥に、鷲巣岳の三角点のピークがあった。展望はわずか。
鷲巣岳は、別名を行者岳といった。

蔵王権現祠のあたりまで戻り、東側の急峻な岩壁のほうに下る。
赤テープが直下に見えるものの、危険なのでロープを数回フィックスして下りた。

猛烈な傾斜の、地形図の毛虫エリアをなんとか通り過ぎると、北へトラバース
していく。今度は落ち葉の堆積で足が取られて苦労する。
進行方向の左側は垂直の岩壁が続くが、その上はちょうど鷲巣岳のピークが
あるあたり。
今度は東へ、またまた急傾斜を下る。踏み跡はほとんど認識できないので、
滑り落ちずに歩けるところを見定めつつ、小さくジグザグを切りながら下った。

すると突然、大きな岩屋が出てきた。岩屋の中には石仏が鎮座していた。
岩屋の前は人為的に平坦にされており、古い石段が下に続いていた。

赤テープの助けもあって、林道に出る。

林道を50mほど北にとり、ふたたび雑木林の中に入って、ようやく緩くなった
斜面を下っていくと、千燈石仏の裏にうまく出ることができた。
理想的に、最短距離で里に出てきたことになる。

千燈石仏。鎌倉時代末期から室町時代の頃のもの。
幅160cm、高さ70cm、厚さ50cmの一枚岩に、弥陀来迎図が薄肉彫りされている。
脇侍に不動明王多聞天像を配するのが、豊後磨崖仏に共通する特徴だそうだ。
六郷満山に、浄土教信仰が浸透していたことを示すものだ。

建屋の横には、いろいろ混交したデザインの石仏もあった。

駐車場に戻る途中、鷲巣岳を見上げる。

この日の宿は、赤根温泉の「湯の里 渓泉」。
硫黄泉 カルシウム硫酸塩泉で、露天風呂は源泉かけ流し。いい湯だった。