
■メイン写真
阿武山の「御神木」であるエノキの巨樹直下からの展望
■今回のコース
安威バス停→稲月大神→阿武山古墳→阿武山→安威川ダム管理所→大門寺→
ダムパークいばきた
コロナ禍の2000年に、茨木市生涯学習センターの英断で第1回を実施して以来、6年連続
となる「はじめての登山」講座。今年も担当させていただいた。
参加対象は茨木市民で、ありがたいことに毎回、定員確保の賑わいだ。
この自然体験教室、1回目が座学、2回目が実地(山行)というカリキュラムだ。
座学は、11月15日(土)、午前中の2時間で実施し、登山の現状、装備、歩き方のコツなど
基本的な内容とした。
今年の行先は、阿武山にしてみた。ゴールを、昨年オープンした「ダムパークいばきた」に
設定し、茨木市の新しいランドマークも楽しんでいただこうというものだ。
山行当日、阪急茨木市駅からバスに乗り、安威で下車。

登山口から階段を上がって、クルマが来ない場所で、まずは登山靴のヒモを
みんなできっちり結ぶことから始める。
足が靴の中でガサガサ暴れて、爪先などを痛めないようにするためだ。

スタートはちょっとした登り。

阿武山稲荷の大きな鳥居をくぐる。

稲月大神のお稲荷さんに到着。
元々、もう少し大きな神社があったようだが、明治時代の神社の統合令で、阿爲神社とに
統合されたらしい。

今回の行程は短い。少し歩いては、植物観察などにたっぷり時間をとる。
アオツヅラフジの実。
その実は、アンモナイトのようにクルリと巻いている。

センダンの実。
この日は、全体を通じてセンダンを多く見かけた。

まず、阿武山古墳に立ち寄る。藤原鎌足の墓と言われている「貴人の墓」だ。
隣接する京都大学の阿武山観測所の建設の際に、偶然発見された。
墓の周囲にはウバメガシが植えられている。

元の登山道に戻る、しばらく進むと、高槻市の中心街が見下ろせる展望スポットに着く。

エノキの巨樹は、阿武山の御神木とされている。

カエデやタカノツメなどが美しく色づいていた。

ちょうど昼頃、阿武山の山頂に到着。
名物のトーテムポールには、季節柄、サンタクロースの帽子が被されていた。
地元の阿武山保存会が、休憩ベンチやテーブルなどを設置するなど、
阿武山の整備に力を入れておられる。

広々とした山頂で昼食を済ませたあと、少し自然の中で遊ぶ。
まずはタカノツメの甘い香りを楽しんでいただいた。
茶色くなった落ち葉が、糖化により甘く香るのだ。
生涯学習センターから同行されたお姉さんも驚きの表情。

続いてネイチャーゲームを披露。
敷物に使ったツェルトについても、その役割をあとでレクチャーした。

山頂の少し北からは、送電線鉄塔が走る場所から大展望を楽しんだ。
この日は空気が澄んでいて、大阪市内のビル街はもちろん、遠く淡路島まで見渡せた。

踏み跡が薄い、薄暗い照葉樹林のなかを下っていくと、突然、コンクリート簡易舗装の
林道に出る。林道からは正面に新名神高速道路が見える。千提寺のあたりかな。

簡易舗装道はあっという間に途切れ、ふたたび山道になる。
少し下ると、突然、眼前が広く開ける。
安威川ダムを見下ろす高台に出たのだ。
安威川ダムは、2022年8月に完成したロックフィルダムだ。
堤高(ダム本体の高さ)は76.5m、堤頂長(ダム頂上部の長さ)は337.5mもある。
1967年の北摂豪雨災害では、安威川流域で死傷者61人、家屋の全半壊41戸、
浸水家屋約2万5千戸の被害を出した。これを契機に、ダム建設構想が立案された。
旧村の水没、いろんな反対運動や裁判もありながら、2014年からダム本体の建設が
始まった。全体事業費は1,676億円にのぼる。

昨年オープンした、長大な吊橋「GODA BRIDGE」と、背後に竜王山を望む。
「GODA BRIDGE」は、全長420mあり、歩行者用の吊橋として日本最長、
世界でも3番目に長いものだという。

安威川ダム管理所に下りてきた。
トイレをお借りして休憩。ダム周辺のジオラマ模型が展示されている。

また、ダムカードも入手できる。1周年記念バージョンは、ひょっとしてレアものか。

ダムの天端を歩いて渡り、対岸にある大門寺に立ち寄る。
真言宗御室派の寺で、安威河ダムの建設により、現在の高台に移転した。
庭園のカエデの美しさは有名で、この日も多くの観光客が訪れていた。

カエデはおそらく園芸種が主だが、その分、鮮やかな色づきが魅力だ。

歩道には、昔の瓦や石臼などがリサイクルされている。

真新しい本堂。
宝亀二年(771年)、開成皇子(桓武天皇の兄)が開基。弘法大師が金剛・蔵王の二像を刻み、
当寺の守護とした。ご本尊は、聖如意輪観世音菩薩、四天王像ともに平安末期の仏像で、
国の重要文化財。ともに秘仏である。

ゴールのダムパークいばきたに到着。「GODA BRIDGE」の前で解散とした。
送迎シャトルバスはJR茨木駅へ直通し、阪急バスは阪急茨木市駅に通じるが、
バス停の位置が全く異なるため、ここでの解散となったものだ。
ご参加の皆さんにも、楽しんで頂けたなら幸いだ。これを機に、登山に世界に
興味を持っていただけたら、なお嬉しい。