
■メイン写真
小さな祠が鎮座する頭巾山(とうきんざん:地元ではときんさん)の山頂。
山容が修験者の頭巾に似ていることが山名の由来という。
■今回のコース
野鹿ノ滝入口→頭巾山登山口→巨杉→稜線出合→頭巾山→(往路を戻る)→野鹿ノ滝入口→
野鹿ノ滝→野鹿ノ滝入口⇒あっとほ~むいきいき館「ご湯っくり」
当日朝、福井県おおい町の天気予報をみて、最高気温予想が35度というのにビビりつつ
現地へ。登山序盤は北向きの沢筋というセレクトではあるが、登山口で既に26度。
この日の最大の敵は、この高温である。

野鹿(のか)ノ滝入口までクルマを入れて(もう少し先の、舗装が終わるところまでは進入可能)、
まずは野鹿谷にそった林道を歩く。

野鹿ノ滝の落ち口が見える。
この日は、下山後に野鹿ノ滝を観に行くつもりだ。

大きなトチノキ。このほかカツラやサワグルミなど、いかにも渓流沿いの樹木と
いったラインナップが楽しめる。

野鹿谷には、野鹿ノ滝から上には大きな滝はないが、遡行したら楽しそう。

さわやかな緑の中を林道を進む。1.5kmほどのところが頭巾山登山口だ。

左へ下り、涸れた沢を渡って対岸の植林の斜面へと入っていく。
山そのものはものすごい急傾斜になっているのだが、登山道はジグザグに切ってあり
歩きやすい。

タマゴタケ。道中、この一本のみ。

真新しい皮剥ぎの跡。クマさんなのかなぁ。

小尾根に乗り、シャクナゲや巨杉を観ながら登っていくと、いよいよ核心部が
始まる。ここから固定ロープが連続する岩稜となる。
イワカガミやイワウチワの葉もたくさんある。

標高は800m前後だが、なんとなく大峰山系を思わせる風情だ。

やたら多くのロープが張られた急斜面。

見た感じほど難しくなく、三点確保を確実にこなせば大丈夫。

稜線出合の直前で、一度、開けた場所に出る。
日光がカンカンに照りつければ倒れそうな場所だが、幸い、ガスがかかり
薄日になっていた。

稜線出合を左へ、ほんのわずかで許波伎(こわき)神社の祠と三角点がある山頂に到着。
許波伎神社の別名は、冠巾山(とうきんざん)十二社大権現。雨乞いの神様だ。
「こわき」の地名は、綾部側の小和木集落に残っている。

薄いガスがかかっており、本来の絶景からはほど遠い眺め。
しかし、山頂部はあまりに蒸し暑く、熱中症の危険を感じたので、記念写真を
撮っただけですぐに退散した。

山頂北側直下にあった避難小屋(おこもり堂)は、完全に崩壊し、残骸だけが
放置されている。2015年の秋以降に倒壊し、2016年の夏には既に倒壊していた。
下山は、元の道を引き返す。
山頂から少し下りた、開けた場所で昼食を摂り、用心しながら固定ロープの岩場を
下る。あとはたやすく下ることができた。

下山後、野鹿ノ滝に立ち寄る。落差36m、一本の布を流したような迫力たっぷりの滝。
遊歩道を下りると、気温がいきなり下がるのが分かる。
天然の水冷式クーラーの威力だ。
野鹿ノ滝には、伝説がある。
ふもとのおおい町名田庄は、陰陽師・安倍晴明の子孫である土御門家が応仁の乱を逃れて
移住した地。土御門家の別当石王丸が、野鹿ノ滝の滝壺から光を放つ薬師如来に、
落ち延びるルートを教えられたものだ。

登山靴を脱いで、冷たい流れに足を浸していると、近くの岩にミヤマカワトンボが
留まった。

帰りに、あっとほ~むいきいき館に併設されている銭湯「ご湯っくり」に立ち寄る。
温泉ではないが、地元の小ぢんまりとした日帰り湯で、300円で入れるのがいい。