Mr.Dashのぶろぐ館(新館)

関西の山々や日本アルプスが大好き。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅡ)、山岳ライターでもあるMr.Dashのブログです。Gooブログのサービス停止(2025/11)により、引っ越してきました!

2012年9月22日(土)伊勢山上の行場ルートは、殆どクライミング!!


かねてより行ってみたかった伊勢山上。
初めて存在を知ったのはもう10年以上前だが、なかなか機会がなかった。

伊勢自動車道の一志嬉野ICを下りて県道30号線から45号線へ、
飯福田(いぶた)寺を目指す。



仁王門の周囲に駐車スペースがある。
ここから徒歩3分で飯福田寺である。



伊勢山上の行場ルートに立ち入るには、寺で入山料200円を
支払い、住所氏名を記入し、簡単な説明を受ける必要がある。
道中、危険な箇所が多いが、すべて自己責任であり、無理だと思ったら
巻き道を使うこと。そして、下山後はもう一度、寺に立ち寄り、
下山の旨を記載せねばならない。

後になって、この厳重な管理が当然のものだということを知ることになる。

登山靴は、夏休みの山行中、見事にソールが剥がれてしまったので
スカルパの靴を新調した。岩場に適したソールと爪先のデザインをしている。
今日は、ちょうどいい練習になりそうだ。

階段を上がり、護摩壇の先にある本堂に手を合わせる。
「表行場」の入口である、左手の鳥居をくぐって山道に入るとすぐに急登となる。

小さな祠が幾つか続き、10分もかからないうちに、
「油こぼし」と名付けられた岩のフェースが立ちはだかる。



高さ20mくらいか。鎖が2本ついているが、右の直登ルートを選択。
スタンス、ホールドとも、大きくはないが豊富にあり、鎖は
たまに補助的に触る程度。
ライミング経験者なら楽しい登攀だが、高度感があり、
初心者だったら鎖をゴボウで使い、上に着くころには腕がパンパンに
なるというパターンか。



登りきると、「行者尊」の岩の上に出る。役ノ行者像が待っている。
なかなかの絶景である。



続いては「岩屋本堂」。
天然岩が風化によりオーバーハングになっていて、その下に祠が
ある。中には役ノ行者像と、前鬼、後鬼像があった。



「行者尊」の裏手から巻くこともできるが、今日は果敢に
行場に挑む。祠の右手をまるでクライミングジムのルートのように
右上にトラバースする「鐘掛」。タタミ2畳ほどのテラスに出ると、
3mほどの鎖と細かいホールドを頼りに「御笠岩の」上に出る。
ここは、恐らく多くの人が鎖に頼りっきりになりそうだが、
よく観察すれば弱点はある。

「抱付岩」を過ぎると、最初の岩場は終わり、植林の山道になる。

「小天井」のピークを過ぎ、しばらくはやや退屈な区間が続く。



やがて標高380mの「大天井」のピークにつたが、ここも展望なし。

しかし、このあとに再び楽しい岩稜帯が続くのだ。
「亀岩」からは、前方に続く岩稜帯が見渡せる。期待感に胸が弾む。



「鞍掛岩」を登りきると、「蟻ノ戸渡り」。いうほど狭くないので
2足歩行でクリアできるが、左右どちらに転落してもただではすみそうにない。

巨岩からの下りは、なかなか緊張させられるが、岩質が滑りにくいのと、
必要なところはホールドがチッピングしてあって親切。



つづく「小尻返し」は、下りるときに慎重さが求められる。
最初、足が届きづらい箇所があるのと、最後は長い鎖場になっている。
これは面白いゾ!!



さらに「飛岩」が現れる。これも下りが面白く、さすがに鎖を
ゴボウでいかないと最後の足場が遠くて困るが、じつは、鎖を自ら
左に1mほど振ってやれば、スタンスが見つかる。これができるかどうかが鍵。

最後の「平等岩」を過ぎれば、あとは山道の下山道になる。
神社跡の「元居ヶ原」からは、一部の樹木を伐採して、岩屋本堂が
見通せるようになっていた(冒頭写真)。
コケとイワタバコが密生した、下向道の130段の石段を下ると、
もとの飯福田寺に戻る。
1時間50分の、じつに愉しいフィールドアスレチックだった。

寺で下山を告げ、仁王門下で昼食をとったあと、「裏行場」へ向かう。
仁王門から車道を少し北に進んだところに標識がある。
橋を渡り、民家の脇を右折し、川沿いに進むと鳥居がある。



5mほどのミニミニ「油こぼし」を攀じのぼり、「達磨岩」の上部に
出る。さらに先に5分進むと、「獅子ガ鼻」の大岩。


裏行場は、ここで終わり。



鎖を使って岩から下りて、回り込むように山道を下れば、沢筋に
出て、あっけなく民家脇に出る。わずか15分の周回コースだった。

行動時間は短いが、なかなかスリル、変化に富み、大満足。
久々に、ひとに勧めたいコースを知った。