Mr.Dashのぶろぐ館(新館)

関西の山々や日本アルプスが大好き。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド(ステージⅡ)、山岳ライターでもあるMr.Dashのブログです。Gooブログのサービス停止(2025/11)により、引っ越してきました!

ヨーロッパアルプス山行記(2)ブライトホルン(4164m)ハーフ・トラバース


■2011年8月5日(金)

今日は、マッターホルン登山予定者に課せられている事前テスト登山。
ブライトホルン(4164m)のハーフ・トラバースをこなせないと、
本番の許可が下りない。
スピードはもちろん、岩と雪のミックスルートのスムーズな登攀技術が
試される。

"審査官"はリチャードという年配のガイド。
愛想はないが、冷静な対応に経験の豊富さを感じさせる。



朝から雲に包まれたマッターホルンを恨めしげに眺めつつ、
朝一番のロープウェイを乗り継ぎ、8:05にイタリア国境の駅、
グレッシャーパラダイスに着く。スキー場の敷地内であるが、
標高は既に3817m。こんなところにまでロープウェイを通す
スイス人はすごい。



3人でアンザイレンし、大雪原を、イタリア側に回り込む。
ブライトホルン・パス(峠)から東にとり、ブライトホルンの
南側をトラバースする。



アイゼンを装着し、4159mピークと4022mピークの間のギャップへ
急坂を登っていく。
富士山での事前練習がよかったのか、高度障害はない。



稜線に出ると、いよいよ岩場の始まり、始まり。
ところどころに雪は積もっているが、アイゼンを外しての登攀だ。
急峻なヤセ尾根ではあるが、恐怖感は感じなかった。



小ピークを幾つも越えていく。



最も長いピッチで25mくらいか。リチャードが激しく引っ張るので
却って登りづらい。この程度なら俺でもリードできるわい!と思う。

両側数百メートルが切れ落ちたキレットを飛ぶところもあり、
なかなか楽しい登攀であった。





少しオーバーハング気味の4m壁を超えると、日本の北アルプスの・
ジャンダルムの"ラクダの背"以上に痩せた稜線を迎える。
ここは、またいでズリズリ進むしかない。
あとは雪稜になり、2つ目の丸いピークがブライトホルンの山頂である。



山頂はガスの中。残念ながら何も見えなかった。
景色を眺めながら、昼食タイムとした。

下山はノーマルルートをひたすら下りる。
あともう少しでロープウェイの駅というところで、なんと、あられが
降ってきた。夏でも関係ないのだ。

淡々としたガイドのリチャードは、我々が合格なのかも告げぬまま、
ロープウェイのグレッシャーパラダイス駅でさっさと下山してしまった。

こちらはせっかくなのでカフェテリアでコーヒータイムを楽しんだ。



ツェルマットに着いて、アルパインセンターに立ち寄ったが、
合否判定連絡は届いていないとのこと。
明日以降の楽しみに持ち越しだ。(ちなみに、無事、合格していた)

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ところで、最近多忙で、ブログを書く暇がまったくなかったが、
この詳細度で書いていくとすれば、年末までにアルプス山行記が
終わらない可能性がある。

帰国後も日帰り登山には出かけているので、それらを途中に
挟みながら、随時掲載していくこととする。